総合的な探究の時間Report vol.2
静岡県立掛川西高等学校
生徒の主体性や協働する力、問題解決能力等の育成を目指し、体験と気づきを重視するのが掛川西高校の探究学習の特長です。
今後も様々な課題解決型の探究学習や社会とつながる学びを実践し、生徒とともに挑戦と前進を目指す掛川西高校の取組について、加茂杏奈先生と主体的な学びを進めた5人の生徒に取材しました!
==基本情報==
探究スタート年度:2020年
授 業 頻 度 :週1回+フィールドワーク
年間授業時間数 :31~35時間+フィールドワーク
探究担当教員数 :研修課7名(加えて各学年の担任、副担任)
実 施 学 年 :全学年
外部コーディネーター:なし
(外部メンターの方々からのアドバイスは頂いています)
Q1.掛川西高校の探究活動におけるイチオシポイントや魅力を教えてください。
加茂先生:
本校の探究活動のイチオシポイントは、地域の方々とのつながりが強い点です。フィールドワークなど校外での活動を通して、掛川の方々と交流し、共に地域の課題に向き合っています。
鈴木真白さん:
探究するにあたり、普段話を聞くことができない専門家の方に話を伺うことができるのも掛川西高校ならではの魅力です。
【加茂先生に聞きました!】
Q2. 先生方から見て、探究に取り組む生徒たちはどのように映り、今後どんな人に成長してほしいと思っていますか。
加茂先生:
普段の授業では受け身的な部分が多く見られますが、探究の時間では生徒同士が自分たちの意見を出し合い、会話を通じた主体的な姿が見られます。
課題を解決するために、何が必要なのか自分たちで考え、見たり、聞いたりして意欲的に学び、その後アクションにつなげていける生徒に成長してほしいと思っています。
【生徒に聞きました!】
Q3. 皆さんは、貴校の生徒のなかでも特に熱心な探究を行ってきたそうですが、これまでどのような探究活動に取り組み、どんなことを感じたのか教えてください。
高橋沙希さん:
私たちはメンターさんの話を聞いたことをきっかけに、買い物に行くのが困難な高齢者の方々の力になりたいと思うようになり、「移動販売ができるお弁当をつくる」というテーマで探究を行ってきました。試行錯誤を繰り返して完成させたお弁当を、嬉しそうに食べてくれた家族の姿を見て、喜びを感じると共に、さらに深く探究をしていきたいという前向きな気持ちになりました。
Q4.高齢者の方をターゲットとしたお弁当を作ったそうですが、どんなお弁当をつくりましたか?アピールポイントと共に教えてください。
丸山菫さん:
メンターさんからのアドバイスをいただいて、高齢者の方が食べやすいように八宝菜を作ったり、ハンバーグに豆腐を混ぜたりと工夫を重ねました。また、地元に農家さんが多いので材料に掛川の特産品をたくさん取り入れました。
大橋聖也さん:
掛川の良さが存分に詰まったうえに、1食500円以内というとてもお手頃な価格で買えることもアピールポイントです。
僕たちのお弁当は100点です。会社の商品には負けないぞ!
Q5.この探究を通して1番印象に残っているエピソードを教えてください。
小峠華音さん:
専門の方の話とお弁当づくりが強く印象に残っています。メンターさんの話を聞いて、初めて高齢者の食事について考えるようになりました。お弁当のメニュー設定をする際もメンターさんに力を貸してもらいましたが、調味料の微調整に時間がかかり、「お弁当をつくろう!」と言い始めてから作りはじめるまでがとても長くなってしまいました。限られた時間しかないなかで苦戦することが多くありましたが、この5人で協力して探究活動に取り組めたことがなによりも楽しかったです。
Thanks for 掛川西高等学校
インタビューにご協力いただき、ありがとうございました
大橋聖也さん 小峠華音 さん
鈴木真白さん 高橋沙希 さん 丸山菫さん(2年)
加茂杏奈 先生
~編集後記~
掛川西高校の生徒さん、とてもキラキラしていました!インタビューを受けてくれた5人はとても仲が良く、きっと楽しみながら探究活動をしてきたんだろうなぁと想像ができました。困っている人のために自分たちにできることを考えて実行できる彼らの思いやりやタフな行動に私も刺激されました。
自分たちの活動について楽しそうに話してくださる先生方や生徒の姿を見て、「私も高校生に戻りたい!」と思わず叫んでしまいました。
(静岡大学〔取材時は静岡市立高等学校〕 西村愛未)
取材日:2022年3月