総合的な探究の時間Report vol.7
富士市立高等学校
早くから探究学習に力を入れ、現在は学習を第1単元~第5単元に分け、それぞれ特色のある取組を行い、探究的な力やチームでの協働する力を身につけることを目指す富士市立高等学校!
特色ある富士市立高校の探究学習の詳細については学校HPをご覧ください!
🔍「富士市立高等学校 探究学習」
今回は2年次に行った富士市の課題解決学習に主体的に取り組み、富士市のまちづくりセンターを中高生が利用するためのプランを考え、実現させた4人と伴走した先生にインタビューしました!
==基本情報==
探究スタート年度:2011年
授 業 頻 度 :新課程 週2回(1年生) 週1回(2年生)
年間授業時間数 :70時間(1年生)35時間(2年生)探究学習発表会含む
探究担当教員数 :新課程各学年13名
実 施 学 年 :新課程1~2年
外部コーディネーター:なし
Q2. なぜ、富士市のまちづくりセンターの活性化に取り組もうと思いましたか?
桑山望愛さん:
私自身、以前からまちづくりセンターをよく利用していて、利用者数の少なさが気になっていました。
中高生の利用者数は特に少なく感じていたので、勉強する場所を設けたらまちづくりセンターの活性化に繋がるのではないかと思い、自習室の設置を提案しました。
Q1. はじめに、皆さんがどのような探究をしてきたのかについて教えてください。
地域づくりをテーマに、地域の課題解決に向けた探究活動をしてきました。中でも特に、富士市にあるまちづくりセンターの活性化に着目しました。
まちづくりセンターは、利用者のほとんどがお年寄りや子どもであり、中高生の利用者が少ない状況でした。
このことから、まちづくりセンターを活性化させるために中高生のための自習室の設置を提案し、実証実験を行いました。
Q3. 「総合的な探究の時間」を通して得たものはなんですか。また、一番印象的なエピソードを教えてください。
江藤李乃さん:
班員、先生方、市役所職員の方々と連携する中で、協調性が身についたと思います。
桑山望愛さん:
地域交流の機会があったからこそ、「身近な問題を自分たちでどのように解決するか」という当事者意識、SDGsの問題も関連して、「ゼロからイチを作るのではなく、今あるものをどう活かすのか」という発想法や考え方が身につきました。
塚本恵未さん:
夏休みに計画していた自習室の実施が冬休みに延期になるなど、コロナ禍での探究活動の難しさを感じた一方で、自習室を利用してくれた中学生から嬉しい声をもらえたことが印象に残っています。
Q4. 先生から見て、生徒が成長したなと感じることを教えてください。
渡邉梓先生:
生徒達の人前で話す力がついたところです。一年生の頃は上手に話せなかった生徒も、学年が上がるにつれて意見を出したり、大勢の前で発表したりできるようになりました。
永井厚史先生:
探究学習を進めていく中で、協働力やコミュニケーション能力、チームとして何か1つのことを成し遂げていく力がついたと思います。 また、授業での活動にとどまらず、富士市役所が主催するまちづくり講座の「FUJI未来塾」に参加するなど「自走」する生徒が出てきたことを嬉しく思います。
Q5 . 富士市立高校の探究学習の一押しポイントを教えてください。
渡邉梓先生:
ポイントは全部で4つあります!
1. 「課題を発見する→調べる→考える→まとめる→発表する」という学びのサイクルが確立しています。
2. 「総合的な探究の時間」以外にも、探究活動をしています。
3. 社会の多様な人と繋がることができます。
4. 発表やアウトプットの機会が豊富で、生徒は自分の考えを受け止めてもらえます。
(探究の学びや成果を、発表会などの機会を通して、発信する機会がたくさんあります。)
Thanks for 富士市立高等学校
インタビューにご協力いただき、ありがとうございました
江藤李乃さん・桑山望愛さん・塚本恵未さん(高3)
渡邉梓先生 永井厚史先生
~編集後記~
インタビューを通して、生徒の皆さんの話す力・伝える力のすごさを感じました! 簡潔で論理立った話し方は、先生方が話されるように、探究活動を通して身についたのだなと感じました! また、ちょうど先日、富士市長の前で自習室設置のプレゼンをしたと聞きました。実現に向けて動き出すことを願っています!
(静岡大学 古屋美菜)
取材日:2022年5月