総合的な探究の時間Report vol.8
静岡県立浜松西高等学校
2021年度よりスタートした新しい探究ではあるものの、在学中を通して問いの探究を基盤とした超域科目群(6Qs)をベースにした“浜西探究プログラム”で生徒の主体性を引き出し、探究を深めている浜松西高校。
今回は1.2年生の時の探究の経験からマイプロジェクトへの熱意を語ってくれた1名の生徒と生徒の探究を見守ってきた先生に取材しました!
==基本情報==
探究スタート年度:2020年
授 業 頻 度 :週1回+フィールドワーク、講演会
年間授業時間数 :35時間+フィールドワーク、講演会
探究担当教員数 :46人
実 施 学 年 :全学年
外部コーディネーター:なし
Q1.浜松西高校では、2020年から授業の一環として探究活動が行われているそうですが、探究活動を授業で取り入れて良かったことはなんですか?
服部貴大先生:
生徒の主体的な活動が増えたことです。普段教室で行っている座学では、自分でテーマを設けて調べていくことは困難であり、受動的な様子が見受けられますが、探究活動では自ら考え行動し、とても楽しそうにしている生徒の姿が見られます。生徒にとって探究活動は授業における楽しみの1つなのだと思います。
VR撮影中の風景
Q2. 先生方は生徒に対して、探究活動を通してどのような人に成長してほしいと思っていますか?
服部貴大先生:
1つ目として、問題解決能力が高い人に成長してほしいと思っています。これは、将来大学生になった時にも社会人になった時にも必要な能力だからです。
2つ目として、自己の進路を決められるようになってほしいです。1~3年でつながりのあるプログラムになっており、社会情勢について調べたり自分が興味をもったことについて探究したりしていくため、3年生になった時に「自分は将来こういうことをしてみたい!」というような思いを持てるようにしてほしいと感じています。
Q3. 1.2年生の間で、いくつかのテーマに沿った探究活動を行ったそうですが、その中で1番楽しかった探究はなんですか?
蒔山結仁さん:
企業のイノベーションアイデアを考えたことです。僕は、中村建設株式会社というところに行き、話を伺いました。そこでの経験から、イノベーションアイデアには、会社にある情報をもとに、その会社にしかできないことを取り入れるべきなのではないだろうかとグループで考えました。
子ども向けのイベントを実施することや建設中の建物の内部をリアルタイムで配信することなどを提案しましたが、僕はその中でもメタバースを活用した取り組みが1番気に入っており、実施してみたいと感じました!!
Q4. 探究活動を通して、どんなことを学び、自分はどのように成長したと思いますか?またそれは将来どのように活かせそうですか?
蒔山結仁さん:
情報収集の仕方を学びました。ネットには限られた情報しかなく、さらにそれが正しいかどうかを見極めなければならないため、情報を集めるのは大変な作業だと感じました。
一方で、直接人に話を聞くことは、ネットに載っていない専門的かつ詳しい情報を得られる貴重なチャンスであるという良さに気づきました。
Q5. 将来の夢はなんですか?探究活動を通して将来の夢にどのような影響がありましたか?
蒔山結仁さん:
僕の将来の夢は、医療関係の仕事に就くことです。小さいころに病気にかかってしまったのですが、先生の話を聞いたり検査をしている人の姿を見ていたりする間に、憧れを持つようになりました。命を救ってもらったから今度は自分が他の人を救いたいと感じるようになりました。小学校5年生からずっと医療関係の仕事に興味がありますが、これから先もこの夢が変わることはありません!!
Thanks for 静岡県立浜松西高等学校
インタビューにご協力いただき、ありがとうございました
~編集後記~
今回のインタビューを通して、生徒さんの旺盛な好奇心と強い意志がとても印象に残りました。自分がやりたいことがはっきり決まっていて、それがブレないところに感動しました。探究で学んだことを活かして将来につなげていきたいと言っていて、本当に応援したくなりました。医療の話をしたときに病院の先生に話を聞きだしていると言っていたので、すでに次の探究が始まっているのではないかと私までわくわくしました!! (静岡大学 西村愛未)
取材日:2022年6月